WEBプロデューサーとして舵取りする為に大事なこと

2010年は、個人的には原点にかえったお仕事をしたいと思っています。
自分の原点を見直してみると、やはりWEBメディアがホームフィールドで、特にヤフー等で学んだメディア事業の影響はとても大きかったと思っています。
そこで自戒の念も含めて、プロデューサーとして舵取りする為に大事だと思っていることを、まとめてみたいと思います。

「現在の利益」と「未来の利益」のバランス

以前の会社の上司には、「現在の利益」と「未来の利益」のバランスを大切にしなさいとよく言われました。
それぞれの定義を確認しますと、

  • 現在の利益 : 営業利益=売上-費用
  • 未来の利益 : PV・UU・ID・滞在時間…等々

だったかと思います。
そして、ネットメディアの良質なサイクルとは、

1) 人・お金・モノ・時間といった資源を使ってコンテンツを作る
2) ユーザーに使ってもらって、PV・UUといった「未来の利益」を生み出す
3) 「未来の利益」を実際にお金に変換する手段を開発して「現在の利益」を生み出す
4) 「現在の利益」を使って①の資源を確保する

というように、1)~4)が円滑に回ることで大切です。
また、1)~3)のプライオリティには優劣はなくて、全部大事なんだということを結構叩き込まれました。

渡り鳥型プロド、運用型プロド、マルチプロド

プロド(プロデューサー)としての能力は、上述のサイクルにあてはめると、そのタイプがはっきりします。

  • 渡り鳥型プロデューサー
    →1)しか見えてないケース。依頼や支持に対して忠実にコンテンツを作り上げたとしても、その後の「未来の利益」に対してチェックが甘いと、PDCAサイクル でいえば、評価(check)、改善(act)のプロセスで行き詰まり、結果的に作るだけでお金を生めない、単発プロジェクトを渡り歩くプロデューサーに なってしまいます
  • 運用型プロデューサー
    →1)~2)(広告在庫を生み出す業務)に注力するプロドは、できあがったコンテンツを運用するタイプに向いています。広告収入で既に成り立っているメディアであれば、「未来の利益」は順次広告として消化されて、「現在の利益」へと自動換金されているはずですので、プロジェクトは回り続けます。
    1)の資源を使って自転車のペダルをこいだ分だけがエネルギーに変換されて前へ進む状態です。ですので、既に進み始めた自転車に乗る場合にはよいですが、マネタイズを期待された新規プロジェクト立ち上げには不向きかもしれません。
  • マルチプロデューサー
    →1)~4)までの循環を全て見ることができる人で、実はこのサイクルバランスの全体像を把握することができるポジションは、一般的にはプロデュース室の特権です。
    ここまでやれますと、資源を使って自転車をこぎ、生まれたエネルギー(未来の利益)の一部を「現在の利益」に変換させて前へ進みつつ、エネルギー変換できない未来の利益(広告が張られていないページ)に対しても、新しい広告商品、営業スタイル、ビジネスモデルなどを開発して、「未来の未来の利益」として担保することができるようになります。
    結果として、足でこぐペダル(現在の利益)と蓄積(未来の利益)のハイブリットな電気自転車のようにプロジェクトを運営することができます。
    (蓄積が溜まっていくと、心にも余裕ができて人間関係も円滑にまわって良いことづくしです)

昨年やれなかったこと(さぼったこと)

時間がなくて・・・というのは言い訳なので、僕が昨年やれなかった(さぼってしまった)ことをリスト化して、今年の戒めにしたいと思います。
これから、WEBプロデューサーや企画をやりたいと思っている人もいるかもしれませんので、ご参考になれば嬉しいです。

  • 収益性(1PVあたりの売上や利益)以外に、生産性(1PVあたりの費用)をしっかり管理できなかった
  • ユーザー満足度をしっかり調査した上で、ブラッシュアップにつなげられなかった
  • 元気よく大きな声で、伝える言葉を大切にする心構え
  • P/Lやキャッシュフローのみで、B/Sの意識までいけなかった
  • メンバーとのコミュニケーション(メールやメッセ、wikiなどに頼り過ぎず、やっぱり基本はface to face)
  • 速報系メディアの比重が多く、課金やコマース系のお勉強
  • たんさん本を読んで、たくさんアウトプットする

戒めばかりでも悲しいので、昨年自分を褒めて上げられそうな点もいくつか。。。

  • 世界一、自社サイト(受託開発サイト含む)を閲覧したかもしれない
  • 世界一、自社サイト(受託開発サイト含む)のライバルサイトの動向のチェクをしたかもしれない
  • 自社サイト(受託開発サイト含む)の健康診断(PV、UU、売上など)をほぼ毎日チェック

ということで、今年もどうぞよろしくお願いいたします!

インターネット広告を「機会ロス」「廃棄ロス」から考察する

ウェザーマーチャンダイジングの企画営業を多くしていた時期がありました。
小売店では、気象情報によって売れ筋商品が異なるので、日々の気象予報を基に商品受発注の戦略に活用するものなのですが、

  • 気温が上がる
    「焼きそば」が売れるから多めに発注しよう
  • 気温が下がる
    「焼きそば」が売れなくなるから発注は抑えよう

のような使い方として気象情報を利用します。

このときポイントになるのが、ロスという概念であり、

  • 機会ロス
    気温が上がって「焼きそば」が食べたいと思うお客が増えたのに、お店には「焼きそば」が品切れだった
  • 廃棄ロス
    思ったほど商品が売れなくて、在庫が余り、廃棄しなければいけなくなった

このようにロスには2種類の考え方があります。
前者の機会ロスは、品切れ状態に陥ることで、本当は得ることができた売上が損失してしまい、売上を伸ばすることができなくなります。
一方の廃棄ロスは、商品在庫が余ってしまうことで、経費にダイレクトに響いてきます。

インターネット広告に置き換えるロスという概念

前置きが少し長くなりましたが、広告主視点によるマーケティングの効率化という観点から、インターネット広告をロスという概念に置き換えてみると、このようになると考えます。

  • 機会ロス
    興味があるユーザー(潜在客や見込客)に対して広告を訴求できていない
  • 廃棄ロス
    興味が全くないユーザーに対して、無駄に広告を訴求している

ウェザーマーチャンダイジングによる小売店の場合には、廃棄ロスを抑える一方で、抑えすぎると客離れに直結してしまうので、その按配が大事になるわけですが、インターネット広告の場合、機会ロスに長けた商品・・・といった具合に、効果の片寄りが発生する商品も存在するのが特徴的です。

インターネット広告別にみるマーケティングの効率化

機会ロスと廃棄ロスを軸に、主要のインターネット広告を載せてみるとこんな感じになりました。

機会ロスと廃棄ロス

  • リスティング広告(検索連動型)
    機会ロスと廃棄ロスの両軸の軽減に効果的な広告の位置づけと考えます。
  • 機会ロスの軽減
    キーワードを入れて検索するユーザーは、対象キーワードに対して潜在的な需要を持っていると考えらるので、受動的に機会を得ることができます。
  • 廃棄ロスの軽減
    キーワード単位で購入できる広告手法は、理論的に需要がないユーザーには広告を出すことがなくなりますので、無駄な広告費を削減できます
  • 行動ターゲティング
    主観が入ってしまいますが、CVRの向上は媒体側の特徴にも依存されると思うので、どちらかというと廃棄ロスの軽減に長けた広告商品ではないかと思い、図ではこの位置づけとしました。
  • リターゲティング
    マーケティング的には、潜在顧客から見込み客に昇格したユーザーをフォローしていく商品であり、CVRは最も高い商品になると思いますが、受動的に訴求できるリスティングに比べると、効率にやや劣る感がありましたので、機会ロスの軽減とうい側面では、リスティングより下に位置づけました。
  • コンテンツマッチ
    名称どおりで、マッチ率に大きく依存してしまいますが、バランスが取れた商品という主観を持ちました。
  • ノンターゲティング
    例えばヤフーのブランドパネルに出稿したら、多数の潜在顧客に訴求できる一方で、廃棄ロスも大きくなります。商品の種類やスケール感によって効果が得られる広告商品かと思います。

最後に雑感

最近私は、不動産をネットで調べる機会が多くあったのですが、気がつくとヤフーをはじめ様々なサイトで、不動産広告が私を追いかけ続けていました。広告主にとっては潜在客(と見なされたのでしょう)に何度も広告を届けることで、有意義に広告費を使うことができ、且つ不動産に興味のないユーザーに広告費を費やし続ける無駄も省けたわけです。更には無駄を省いたことによる余剰資金やリソースを、新たな商品開発に投資できる可能性まで出てくるかもしれません。

一方でユーザー視点では、見ても仕方ない広告(例えば私にとっては女性向け化粧品など)を何度も見せられ続けないで済むという利点もあります。

このようにターゲティング広告の良いところはたくさんありますので、一部のcookieや倫理的な問題を早くクリアして、インターネット広告市場の発展に・・・・・・?! 最後にひとつ懸念がありました。パフォーマンス(CVR)がどんどん向上して、無駄な広告を訴求する機会が軒並みに減っていったら、廃棄ロスでの収入比率が大きい広告市場は、ウェザーマーチャンダイジングのように縮小に向かってしまうのだろうか・・・。

eCPMで広告効果を判断しよう -広告初級編-

広告でマネタイズするインターネット媒体の運営であれば、収益率が高い広告商品を取捨選択する「目利き」はとても重要です。
「目利き」といっても、早朝の築地で安くておいしい魚を見つけ出すような、職人の経験値が必須の険しい道ではありません。
インターネット広告には、eCPMという便利な判断基準があるので、この変換方式の手癖をつけておくことで、収益判断を簡単に「目利き」できるようになります。

eCPMって何?

例えば、不動産を購入する場合、場所、駅からの距離、面積や建築材料など、いろいろな条件パラメーターがありますね。その中で物件の資産価値の指標として「坪単価」という基準がよく使われていると思います。
「坪単価」で表現することで、総額としては高いと思った物件が、坪単価では意外と安かった・・みたいな判断ができるわけです。

インターネット広告もしかりで、広告種別によって、いろいろな条件パラメータがありますし、さらには種別によって課金方式も異なってきます。
そこで、すべての広告種類を、広告が1,000回表示された場合の単位をeCPMと定め、このeCPMを収益率の「目利き」判断の指標として利用するととても便利なのです。

広告タイプの分類

まずはわかりやすいように広告タイプを、3つに大別してみます。それぞれ、広告タイプによって、広告主の目的も違えば、課金方式も異なってきます。

広告タイプ 目的 訴求対象ユーザー 課金方式 広告例
インプレッション保証型 リーチを獲得したい 非認知層 CPM ディスプレイ広告
クリック保証型 サイトへ誘導したい 潜在層 CPC コンテンツマッチ
アフェリエイト型 最終成果を得たい アクティブ層 CPA アフェリエイト

訴求対象ユーザーや実際の広告例などは、一般的なものとしてまとめてみました。

広告タイプ別のパラメータ値

次に、上記3つの広告タイプ別に必要となる条件パラメータを、仮に定めてみたいと思います。媒体や広告種類によって一概には言えませんが、たぶんだいたいこんな感じです(感じだとします)。

  • インプレッション保証型
    →CPM:100円
  • クリック保証型
    →マッチ率:90%、CTR:0.2%、CPC:50円
  • アフェリエイト型
    →CTR:0.2%、CVR:7%、CPA:1,000円

eCPMを使って広告収益を比較しよう

それでは具体的にeCPMで広告収益を計算してみます。
仮に5,000,000インプレッション(impsと略します)ある広告ポジションに対して、インプレッション保証型、クリック保証型、アフェリエイト型のどの広告タイプを導入したら収益率が最も高いのかを検討してみたいと思います。各種パラメータは上述で定めたパラメータ値を利用してみます。

  • インプレッション保証型
    =5,000,000imps×CPM100円=500,000円
  • クリック保証型
    =5,000,000imps×マッチ率90%×CTR0.2%×CPC100円=900,000円
  • アフェリエイト型
    =5,000,000imps×CTR0.2%×CVR7%×CPA1,000円=700,000円

eCPMという統一した指標に変換することで、結果は一目瞭然ですね。媒体側はクリック保証型を導入することが、最も収益率がある・・と判断できました。
これがもし、

  • 1インプレッションで0.1円支払います
  • クリック1回で100円支払います
  • 資料請求に至ったら1,000円支払います

という状態だけで判断しなければいけないとすると・・・難しいですよね。

今回はインターネット媒体側の視点で書いてみましたが、新規広告導入に関しては、常にこのeCPMという判断基準のもとで電卓片手に計算する手癖を見につけておくと、とても便利だと思います。そうすることで、広告ポジション毎に最適な広告商品を見つけ出せるようになりますし、複数の広告商品を使い分けて、視覚化した広告ポートフォリオを作成したりすると、いろいろな面で(例えば社内説明とか)威力を発揮できると思います。

twitterは源泉かけ流し温泉

先日、渋谷駅で電車が止まってしまったので、車中では手持ち無沙汰で、iphoneでtwitterをいじってみた。

iphoneとtwitterはとても親和性が高い。位置情報を利用すれば今いるエリア付近の”つぶやき”を、一瞬にして閲覧することだってできる。このときも、同じ車中で(あろう)twitterユーザーから、”電車止まって車内暑すぎ” ”電車まったく動きません”といったつぶやきが、刻々とアップされ続けていて、不思議な親近感を覚えてしまう。

twitterはとても便利なツールだと思うのだけど、まだまだ理解されてないことが多くて、日本で市民権を得るまでには至っていない。それなりにネットに身をおく友人でさえ、”何が楽しいの?” ”SNSと一緒でしょ” という反応が結構ある。

twitterはLEGOブロックのよう

twitterは、LEGOブロックの遊び方に似ている。140文字という制限で表現する”つぶやき”は、まるで異なる大きさ・形・色があるLEGOブロックのようだし、共通する塊(#ハッシュというタグのような機能)ですくい取ることで、情報として意味を持つようになる仕組みは、取捨選択したブロックで独創的な形を組み立てるLEGOブロックの遊び方のようだ。また、”つぶやき” ”ブロック”ともに、それぞれ単体ではあまり意味を持たない(価値がない)とう点も似ている。

twitterは一人遊びが前提

SNSには日記を書くというコア機能があるが、ユーザーは友人関係のダイアグラムを築くことが目的であって、日記を書くという行為そのものは、ダイアグラム構築の手段の一つと捕らえている場合が多いと思う。だからSNSというサービスが求められているものは、あくまで双方向であって、コミュニティーであって、おそらく今後もその前提は崩れないと思われる。

一方、twitterは、”つぶやき”というブロックを好きなように組み立てることが目的であって、そのセンスがtwitterの価値になる。ダイレクトメッセージや@○○○といったコミュニティー的機能も搭載しているけど、ダイレクトメッセージはtwitterの付加サービスに過ぎないし、@○○○はそれ自身が新しいブロックに生まれ変わる設計になっている。

twitterはあくまで一人遊びを前提としたサービスであって、繰り返しになるけど、一方通行でも十分に楽しむための組み立てのセンスが大切になる。だからコミュニティー要素はその補助的機能に留まってメインではないところが、SNSとは大きく使い勝手が違う点なのだと思う。

源泉かけ流しのtwitter

スタティックな情報を提供することで一大メディアになったYahoo!に対して、インターネットは検索機能が命であることにいち早く気づいたGoogle。しかし、twitterの言葉を借りるなら、Googleは古い情報を探し出す仕組みに過ぎず、フレッシュな情報を探し出すことができる唯一のサービスがtwitterなのだと言っている。

温泉に喩えるなら、配送して給湯しているのがYahoo!、湯を回収して再利用する循環式がGoogle、源泉の湯だけを利用して、あふれるままに使い捨てる「源泉かけ流し」がtwitterなのかもしれない。

#個人的にはYahoo!は好きだし、Googleのサービスもたくさん愛用してます。。。

ネット業界の歩き方

前職の会社でほぼ中途同期でいっしょに働いていた友人が、会社を辞めて独立すると挨拶に来てくれた。
久々の再開だったけど、すぐにネット談義。

僕らは今、社会の大きな潮目に遭遇している。それはものすごくありがたいことなのだ。良い時代に生まれたね。

最初の潮目<90年代全般>

インターネットの普及がはじまり、ヤフーをはじめISPといわれるインターネットの玄関口がいくつも立ち上がった。ポータルサイトなんて言葉が使われ始めたのも確かこの頃。

  • ネットの中の情報を収集してカテゴライズしてくれたことで、ポータルサイトはネット利用の促進を牽引した
  • 僕らはその頃学生で、スキルも経験もまったくなくて、潮目であることさえ理解してなかったな

二度目の潮目<90年代末>

.comバブルなど、企業が積極的にHPを立ち上げて、ネットの中の情報が氾濫しはじめる。ディレクトリ型の限界が見え始め、情報の玉石混合の傾向が強まっていく。

  • Googleによる高性能なロボット検索によって、ネット利用率が急速に加速した。 ディレクトリ型→ロボット型の変換期もこの頃
  • 社会人になった僕らは、ネットのスキルを学びはじめる。ネット広告も本格的に始動

三度目の潮目<2003年代>

blogやSNSのおかげで、個人がネットに情報をアップする障壁がかなり下がる。個人メディア時代の到来なんて言われはじめる。

  • blogやSNSの前に、ADSLなどのブロードバンドのインフラが事前に整備されたことも、タイミングがとてもよかった
  • Permalinkで、検索対象がwebサイトから記事ページそのものに変わっていき、情報の細分化がおきる。feedという概念を、閲覧者も広告出稿主側も持ち始めた

四度目の潮目<これから>

  • twitterのように、よりフレッシュな情報を、タイムラインで再整理するようなストリーム的な仕組みも流行り始めたし、個人メディアは相変わらず膨張し続けている
  • 近い将来、モバイル常時接続になり、主戦場は間違いなくPC→モバイルに移行する

僕らの主戦場の環境は整いつつある。

  • ”大手新聞社のビックメディア” と ”blog/SNS/ミニブログ”
  • ”大手ポータル” と ”SBM”

のような対比で、同じ土俵に大企業と個人が入り乱れる時代が本格的にやってきた。

ネットをやってきて本当によかったって思うし、こんなワクワクする時代に生まれたことに感謝。。

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